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ACP(Advance Care Planning)家族と共に考える、心の折れない選択

  • 執筆者の写真: 米子の在宅医療・緩和ケア よだか診療所
    米子の在宅医療・緩和ケア よだか診療所
  • 2023年7月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月9日


夏至が終わり、本格的な夏が始まろうとしています。ご無沙汰しています。みなさんいかがお過ごしでしょうか。


今回は、在宅療養における重要なテーマ「本人の心が折れてしまうのが辛くて告知をためらうご家族と共に、自宅で過ごす患者さん」についてお話しします。

「降っても散っても愉しく」をモットーに、私たちは数年間にわたり、このような患者さんと接してきました。


告知をためらうご家族の思い

重病の診断や予後の告知は、本人にとっても、ご家族にとっても、医療者にとっても、心に重くのしかかる問題です。

「本人がショックを受けるのを見たくない」「生きる気力を失ってしまうのではないか」と、本人への告知を控えてほしいと願うご家族は少なくありません。

しかしながら、病状が進行するにつれ、患者さんが自分の状態を知らないまま容態が悪化していくことに戸惑いを感じるご家族も多くいます。

「今ならできること」を「もっと元気になったら」と先送りしてしまうことで、大切な時間が失われることもあります。


家族が感じる葛藤とACPの重要性

何よりも心を痛めるのは、患者さんがいつか苦しむことになった時、それを見守るご家族の辛さです。

ご家族の苦悩を代わることはできません。患者さんのそばに寄り添い続けるのは、ご家族だからです。

それでも、患者さんの心が折れてしまうことが怖い——。そんなご家族の気持ちに寄り添いながら、私たちはACP(Advance Care Planning)について考えています。


ACPとは何か?

ACP(Advance Care Planning)は、医療・介護の専門家と患者さん、ご家族が協力し、将来の医療について話し合い、計画を立てるプロセスです。

昨年の診療報酬改定により、在宅療養支援医療機関では「ACPの院内指針を立ち上げ、マニュアル化すること」が求められるようになりました。

ACPの目的は、患者さんの価値観や希望を尊重しながら、

✅ その方が大切にしたいことを明確にする

✅ 療養の目標を立てる

✅ 「なぜ」それを尊重するのか、どうやって実現するのかを話し合う

ことで、少しでも希望を叶えられるよう支援することです。


ACPがもたらすメリット

患者さんの希望を叶えやすくなる

「今できること」を考える機会が増える

医療者・介護者・家族の連携が強化される

誤解や後悔を防ぎ、より良い意思決定が可能に

「みんなで話し合ったこと」「本人の希望を最大限尊重したこと」が反映されたケアは、最良の選択につながるのです。


心の折れない選択を見つけるために

ACPは、医療介護のプロフェッショナルと患者さん、ご家族が協力して行うものです。

「どうしても告知をしたくない」「本人には知られたくない」というご意向がある場合も、それもまた1つのACPの形です。

大切なのは、

本人がどのような人生を送りたいか

家族がどのような選択を望んでいるか

医療者・介護者がどうサポートできるか

を一緒に考え、支えていくことです。


在宅医療におけるACPの役割

在宅医療の現場では、

  • 「本人の希望を尊重したいが、どうすればいいかわからない」

  • 「ご家族の負担を軽減しながら、最善の選択をしたい」

  • 「本人が心折れずに日々を過ごせるようにしたい」

というご相談を数多くいただきます。

そのため、ACPを実践する際には、

焦らず、時間をかけること(話し合いを繰り返しながら進める)

多職種で考えること(医師・看護師・ケアマネ・家族が協力)

患者さんとご家族の心の負担を軽減すること

が重要になります。


あなたの大切な人と、ACPについて話し合ってみませんか?

心が折れそうな状況に直面した時、ACPは希望と選択肢を提供し、患者さんやご家族の辛さを和らげる手段となります。

「自分の人生をどう生きたいか」 「大切な人とどのような時間を過ごしたいか」

一緒に考え、話し合うことが、何よりも大切です。

「今」話し合うことが、未来の後悔を減らすことにつながります。

ご家族やご友人、かかりつけの先生、訪問看護師さん、ケアマネジャーさんなどと、ぜひ話し合ってみてください。

在宅医療チームは、皆さんが納得のいく選択ができるように支援します。


まとめ|ACPは「心が折れない選択」を支えるツール

患者さん・家族・医療者が協力し、将来の医療について話し合うことが重要

本人の価値観や希望を尊重し、どう実現するかを考える

適切な意思決定ができるように、多職種で支援する

「告知をしない」ACPも存在し、どんな選択肢も尊重されるべき


心の折れない選択を見つけるために、一緒に考えていきましょう。

私たちは、皆さんと共にACPを深め、患者さんが最期まで「自分らしい生き方」を選べるように支援していきます。





                   

 
 
 

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