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在宅医はみた「アイラブユー」|医療の現場にあふれる家族の愛

更新日:3月8日


師走の慌ただしさの中で見えるもの

年の瀬が近づくと、町はせわしなくなる。けれど、在宅医療の現場では、そんな中でも止まらないものがある。

——それは、家族の愛。

日本人は、ことにこの町・米子の人々は、愛を言葉にすることが少ない。それでも、ご自宅に伺ってお話をしていると、はっきりと分かることがある。


医師としての役割、それ以上に大切なこと

もちろん、私の役目は、診察をして処方を出し、処置をすること。それが医師としての基本的な仕事です。

でもそれだけでは足りない。患者さんの気持ち、家族の思いを診療に反映させること。それが、在宅医療においては何よりも大切です。


在宅医療の現場にある「愛」のカタチ

「もう私の姿が見えなくなると、そわそわして大声出してやんなっちゃう。」

旦那さんを支える奥さんが、笑いながらそう話す。

「奥さんがいてくれていいね、大好きなんだよね。」そう言うと、旦那さんはデレデレと照れ笑いをする。

「何だかんだ言うてね、一緒におりたいと思っています。」「いつ介護をやめるの?」と聞かれた旦那さんの答えは、「わしが倒れた時や。」

不器用な人もいれば、マメな人もいる。けれど、その言葉にはみんな魂がこもっていて、嘘がない。


介護は決して楽ではない、それでも——

家のことをこなしながら、仕事をしながらの介護生活。決して楽ではない。医療行為が必要な方ならなおさらのこと。

だからこそ、家族を思って家を離れることを選ぶ人もいる。勇気を出して治療を受ける人もいれば、治療をしない道を選ぶ人もいる。

どれも間違いではなく、それぞれの答えがある。


安心と引き換えに、失われるもの

療養のための施設や病棟を勧めるのは簡単。けれど、安心を得る代わりに、一緒に過ごせる時間はずっと少なくなってしまう。

答えは決して単純ではない。

なぜなら、そこに「愛」があるから。それは、医療者が考えているより、もっと深く、もっと難解なものなのかもしれません。


「アイラブユー」と言わない愛

「愛しています。」「大好きなんだ。」

そんな言葉が飛び交うわけではない。

でも、確かにそこには絆がある。夏目漱石が「I love you」を「今宵は月が綺麗ですね」と訳したように、この町の人たちも、分かりにくいかもしれないけれど、確かに愛を伝え合っている。


この年の瀬に、思うこと

あなたも、どうか体に気をつけて。そして、もし大切な人がいるのなら——

この在宅医療の現場でも、患者さんたちが同じように想いあっていることを、どうか思い出してください。

そんなことを、この年の瀬に考えています。



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