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在宅医療の「かわいそう」な現実。どう向き合う?

  • 執筆者の写真: 米子の在宅医療・緩和ケア よだか診療所
    米子の在宅医療・緩和ケア よだか診療所
  • 2020年3月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月8日

「何だか見てるとかわいそうで…」

そんな言葉を聞いたとき、ふと思った。

「いつから、その患者さんは『かわいそう』になったのか?」

・ 病気そのものが「かわいそう」なのか。

・ 環境が整わないことが「かわいそう」なのか。


「こんな体、悔しいね」——そりゃそうだ。

・ 「やってらんない、もうダメだ」——その通りだ。

言葉にすることは、決して虚しいことじゃない。むしろ、そこから現実と向き合う力が生まれる。寄り添う勇気が、湧いてくる。

だけど、「かわいそう」。

この言葉には、ばねがない。辛い現実から希望を見出すために、必要な「ばね」がない。

「かわいそう」と言うだけでは、何も動かせないし、何も生まれない。


在宅医療における「治す」と「支える」

ある医師は、「とことん治したい」と思う。

またある医師は、「治せないなら、とことん家で過ごしてほしい」と思う。

知識を持ち寄り、病巣や苦痛と闘う。そこに情熱を傾ける。

けれど、在宅医は24時間そばにいることはできない。

患者さんが「家で暮らす」ためには、切れ目のない誰かの支援が必要になる。そして、支援者が「ここにいていいんだよ」と態度で示すことが必要になる。

だからこそ、支援者が「かわいそう」と言ってしまうと、それはどこか他人事に聞こえ、冷たく響いてしまうこともある。


「かわいそうな人」なんて、本当はいないほうがいい。

今日、今ここで普通に生きているあなたが、「あなた、かわいそうね」と言われたら、どんな気持ちになるだろう?

どんな病気にかかっても、障害があっても、社会的な枷があっても——「かわいそう」なんかじゃない人生を、生きてほしい。

たとえ自分の足で立てなくても、心はまっすぐに立ち上がり、最後まで歩いてほしい。


人生を生き切る「勇気」

それがどれほど辛いことか、どれほどの困難を伴うか、私たちは痛いほどわかっている。

だからこそ、私たちは笑顔で、また次の診療に伺いたいのです。


「人生は素晴らしい。戦う価値がある。」

映画『セブン』で、モーガン・フリーマンがこう語る。

「人生は素晴らしい。戦う価値がある。僕は後の半分に賛成だ。」

闘うのは、病気や障害ではない。自分の人生を生き切る勇気を持ち、弱さに向き合うこと。

「素晴らしい」と思える気持ちは、きっと、その先についてくるのだろう。


健康な人に、伝えたいこと。

人生は、驚くほどあっけない。

人間は、驚くほど弱い。

そして、時に想像もできないほどの強さを持っている。

だからこそ、今日という日を大切に生きてほしい。


 
 
 

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