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どう診る感染症―在宅の場合

CRPこの厄介な存在

「今日の白血球、4500です。CRPは0.1。心配ないね。」 採血の結果説明、医療機関では日常的です。

私自身、クリーンルーム時代から検査結果に一喜一憂して参りました。 病気や治療の影響で、骨髄の白血球を造りだす能力が低下し、 回復を待つ方たちにとって、それは命綱となり、 日々の生命線になり得るでしょう。 では、在宅医療の現場ではどうでしょうか。

人がバクテリアに侵されるとき、確かに抗生剤は有用です。 しかし体内の細菌叢(平常時から、口腔や大腸、膀胱などの粘膜、 皮膚に住み着いている菌の群れ)のバランスが崩れること、 耐性菌(抗生剤に抵抗力を持った菌)が台頭し、環境に浸透していく不利益については、殊に体力の低下した方達にとっては慎重さが必要です。

大切なことは、日ごろからいかにバクテリアへの抵抗性を高められるか、いかに体力を充足させるか。 合わせて抗生剤の適正使用について考えていくことが、患者さん達の未来を変えていく可能性を秘めていると思います。

熱がなければ、白血球が増えていなければ、炎症反応さえ高くなければ。 日々うまくいっていると思って頂きたくはないのです。

患者さんの日常の過ごし方そのものの大切さについては、また少しずつ お話していきたいと思っています。ご不明な点、ご意見など、ぜひ当院までお寄せください。


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