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よだか診療所のはじまり

更新日:2019年10月17日

「よだかは、実にみにくい鳥です。」

この一文で序す宮沢賢治の童話「よだかの星」。現世に疲れたよだかは、独り遥か荒野を目指し星になり、命の光を燃やし続けます。


高齢社会が完成しつつある今、老いや病は本当に身近なものになってわたくし達の暮らしの中に浸透してきました。それらが全く不幸で、悲しく、恐ろしいだけだとしたら、この先には何が待っているのでしょうか。

一方でわたくしは、診療のたびに燦然ときらめく命の輝きを、一人一人の患者さんの中に見つけることが幾度もありました。みなさんが大切にしていること、ひと。心の支え。そして診察そのものが我々にとって、大切な交流の時間になることもあったのです。

不恰好でもいい。笑われたり、時には知らない誰かに首をひねられてもいい。だけれども、患者さんには少しでも毎日が楽しく、辛いことが少なく、たった一度の人生を生きるひとりひとりのため、我々医療者に出来ることは何か―。こんな風にわたくし達は常に高みを目指して、この街で情熱を燃やし続けようと思います。

そんな思いからこの診療所の名は決まったのです。


米子の在宅医療 よだか診療所

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